※本書ネタバレ含
観応の擾乱 - 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い (中公新書)
- 作者: 亀田俊和
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2017/07/19
- メディア: 新書
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10月25日にこの本を買いました。もう読み終えて今は同じく中公新書の「応仁の乱」を読んでます。
もう内容忘れかけてるので、完全に忘れる前にブログに感想と内容を綴ります。
初期室町幕府~広義の観応の擾乱を概説
著者は亀田俊和さん。卒論から南北朝をテーマにしていて、現在に至るまで研究を続けています。因みに本書では、高師直の世間に対する悪評に「理解に苦しむ。」とおっしゃっています。
内容は、
簡潔にいうと、室町幕府成立後、尊氏は政務を直義に殆ど任せます。そしてその後、直義と高師直の間で不和が発生、第一幕が開幕します。結果、高師直が死亡します。足利直義が圧勝します。
しかし、足利直義は忠義を尽くした武士達に十分な恩賞を与えることができず、不満を持つ。さらに、南朝の交渉も上手くいかず...(北朝南朝問題)
結局、足利直義は京都を離れて、足利尊氏と対峙する。第二幕の始まりであった。戦闘が始まったものの、直義は尊氏と明確に戦う意志は持っていなかった。一方、今まで穏便だった尊氏は強固な意志を固める。直義は敗走し、降伏。その後、尊氏は直義を迎えに行き、鎌倉に入った。その後、失意のうちに直義は亡くなる...
狭義の観応の擾乱は終わったが、今度は南朝側と再び戦闘に入るのであった...以後、40年間内乱が続く。
まぁ、こんな感じの内容でした。筆者は冒頭で、
「高師直や足利直義の敗死という多大な犠牲を払いながらも、観応の擾乱という試練を克服したことによって室町幕府は政権担当能力を身につけ、足利尊氏も名実ともに征夷大将軍となったのである。」
と結論を述べています。
終章の最初の方で観応の擾乱の概要をまとめています。気になる方は是非。
個人的な感想としてはちょっと自分の意見とかを混ぜすぎた感じがしましたね。なんか論文を読んでいるような雰囲気でしたね...
それにしても、やっぱ室町時代は研究したい時代ですね。ゼミでは近現代専攻ですけど!
聖書、コーラン、仏典 - 原典から宗教の本質をさぐる (中公新書)
- 作者: 中村圭志
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2017/10/18
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今度読みたい本です( 一一)