前回
世界遺産委員会の弱点
・顕著な普遍的価値を論ずるのに、その評価は国の役人たちが評価する、つまり政治的恣意が絡んでしまう点で普遍的な組織体制ではない。
・同様に、その審査方法は推薦国が作成した書類に依拠する点からも見て取れる。
イコモスの貢献
- ギャップ・レポート(2004年)
- セマティック・スタディ(比較研究を行う)
世界遺産の登録プロセス
・日本の暫定リストの歴史を見ると、最初は日本の文化の多様な側面を代表する資産が選択されてきたことが分かる。(社寺・城郭・歴史的集落)
・その後は、産業遺産や聖なる山、考古遺跡といった今まで十分に評価されていなかった新しいカテゴリーが登録されている傾向にある。
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※2つ目の事柄に関しては、ギャップ・リポートにも書かれてあった新興遺産分野にも合致します。(イコモスはこれらの世界遺産が増大していくと予測していました)
それにしても、最初期から暫定リストに記載されてあった「彦根城」と「鎌倉」は何だかやりきれないですね...
真実性と完全性
- 真実性(真正性)・・・簡単にいうと「(遺産が)いかに本物であるか」
- 完全性・・・(遺産が)無償であるかどうかのものさし
真実性については、あらゆる学問分野から担保されているかが検証される。
緩衝地帯(バッファー・ゾーン)
・世界遺産は周囲の環境と何らかの関係を持ってきたため、当該資産を適切かつ効果的に保護するために、バッファー・ゾーンの設定が原則となっている。
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そもそも、緩衝地帯って何?と疑問を持った方も多いと思います。(私もその一人です)
気になったので調べましたが、どうやら「中立地帯」が一般的な訳のようです。主に戦争・紛争の背景で使われる用語ですので、世界遺産においては全く別物の意味合いと考えてもらっていいでしょう。
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バッファー・ゾーンの課題
・自然遺産と文化遺産のバッファー・ゾーン
→自然遺産は、文化遺産に比べて規模が大きい場合が多く、それに準じてバッファー・ゾーンも大きくなる。
・世界遺産委員会では、近年、バッファー・ゾーンをよりコンパクトにする考え方を主流としている。また、文化遺産の背景(ストーリー)を成す区域をバッファー・ゾーンにするか、それとも構成資産に指定するかで決められrない状況にある。
日本のバッファー・ゾーン
・最初期では、既存の法律を活用し、それでも不十分な場合は、地方公共団体条例を新たなに追加し、都市計画における高さ規制や外観帰省を行ってきた。
・古都奈良のときは、遺産がシリアル・ノミネーションだったため、個々の構成資産にバッファー・ゾーンを設けて、更に全体を包括する歴史的環境保全区域を設ける「二段階」の手法をとった。
今回はここまでです!次回はモニタリングからです!
ここまで読んで思った感想は、「彦根城」と「鎌倉」...頑張って世界遺産目指そう!という思いだけです涙
流石に二十年数年近くもの間、スルーされ続けてきたのは可哀そうです...
お読みいただきありがとうございました!